東京大学の田中純教授が ブログ で衝撃的な事実を明らかにされています。 2014年東大総長選考に甘利明経済再生担当大臣(当時)が介入していた。そのことを甘利氏自身が手柄話のようにインタビューで語っていたにもかかわらず、最近になって Web上の記事 の当該箇所が何のことわりもなく削除されていたということです。 その箇所とは、2014年東大総長選考に先だって、当時東大教授であった橋本和仁氏が五神真氏を甘利大臣に引き合わせ、甘利大臣が「あなたが総長になったら、私についてきてくれますか」と聞くと、五神氏が「その節には一緒にやります」と即答したというやりとりです(魚拓は コチラ )。 甘利路線を歩むことを約束した五神氏は甘利氏の期待通り東大総長に就任、今年4月から 理研理事長 に就任し、 600人にも及ぶ大量雇い止め を行おうとしています。 五神氏を甘利大臣に推薦した橋本和仁氏は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の議員を経て、この4月から大学ファンドを扱う 科学技術振興機構理事長 に就任しました。 CSTIの常勤議員である上山隆大氏も、岸田首相も、「チーム甘利」の一員であることがインタビューからわかります。 CSTIの権限強化、日本学術会議バッシング、国立大学学長の傀儡化、そして 国会上程中の国際卓越研究大学法案 、すべて連動してごく少数の人間による専断を可能とする仕組みです。 その目指す末は軍産官学複合体の拡大であり、それで一部の政治家は軍需産業からのキックバックで潤い、一部の「学者」たちもまた有力ポストや巨額の研究費を手にいれられるというわけです。 かつての「開発独裁」を思わせるやり方は、たぶん当人たちの意識では「成長戦略」なのでしょう。ですが、研究の土壌を耕さずに大量の肥料を局所的に投下する方式は、結局アカデミアを痩せた荒地にするだけです。 そうなったら元も子もないという恐れすら欠く傲慢さが、「チーム甘利」のプロジェクトの投機的性格を象徴します。 同時に「チーム甘利」の試みは民主的な意思決定への蔑視にも貫かれています。甘利議員が東大総長選考への介入を手柄話のように語った記録が今頃になって抹消され改ざんされているのは、安倍政権以来の隠蔽体質の延長線上にあることを物語ります。 国際卓越研究大学法案を廃案へと追い込みましょう!
「最近の大学、なんだかおかしくない?」と感じる人たちが相互に知り合う中で誕生したネットワークです。2022年の国際卓越研究大学法案(「稼げる大学」)反対を契機として立ち上げ、その後も今日の大学政策にかかわる発信を続けています。これまで大学教員が中心ですが、大学生や市民との公共的な議論の場として輪を広げていきたいと考えています。
呼びかけ人(12月14日現在)は次の通りです。
石原俊(明治学院大学)、指宿昭一(弁護士)、遠藤泰弘(松山大学)、隠岐さや香(東京大学)、河かおる(滋賀県立大学)、駒込武(京都大学)、光本滋(北海道大学)、吉原ゆかり(筑波大学)、山田幸司(北海道大学)、米田俊彦(お茶の水女子大学)