(以下の文面は コチラ からPDFでダウンロードしていただくこともできます) ○署名にご賛同ください!→署名賛同フォームは コチラ です 「稼げる大学」という言葉を聞いたことがありますか? 「稼げる!そりゃ、いいね!」と思われる方もおられるかもしれませんし、「大学の目的はそういうことなのかな…?」と首をかしげられる方もいるかもしれません。 それでは、「稼げる病院」「稼げる保育園」「稼げる消防署」はどうでしょう? 病院で診てもらう立場、保育園に子どもをあずける立場、救急車や消防車を呼ぶ立場からすれば、「いや、人手が足りないんでね…」と対応を断られたならば困ります。ところが、「稼げる」ことを重視する経営者の立場からすれば、稼げない施設を縮小・廃止することが「正しい経営判断」となります。そのツケを最後に支払わされるのは、施設を利用する市民です。 大学も、およそ20年近く前から、政府や産業界の圧力で、「稼げる大学」になれ!と求められてきました。大学における研究・教育が、結果的に新しいモノやサービスを生み出して「稼ぐ」ことに役立てば素晴らしいことです。ですが、研究・教育の目的は「稼ぐ」ことだけではないですし、すぐには「稼ぎ」につながらないことがフツーです。 難病や障がいに苦しむ人を救う可能性のあるiPS細胞にしても、多年にわたる試行錯誤の末に、多くの研究者の予想を超えたところで発見されたものです。それまでは「稼げない」研究でした。偶然とも見える発見や深い洞察には、研究者の側での長年にわたる観察、広い視野が不可欠です。人文系では歴史研究など「無用の長物」とみなされがちですが、世界情勢の変化におどろいてあわてて「ウクライナの歴史」を知ろうとしても、専門家の養成は一朝一夕にできるわけではありません。 いま、国会に「稼げる大学」法案が提出されています(法案の内容については、この呼びかけ文のあとに続く「声明文」をご覧ください)。これを考えた政治家・官僚・有識者たちは、自分たちが「目利き」となって「稼げる」研究を選び出し、そこに大規模な資金を集中的に投入してイノベーション(新機軸、技術革新)を実現するのだと豪語しています。ですが、社会にとって本当に必要な研究とは、研究者と市民の協力関係のなかで育んでいくべきものです。「目利き」を自称するごく少数の人々に評価されるた...
「最近の大学、なんだかおかしくない?」と感じる人たちが相互に知り合う中で誕生したネットワークです。2022年の国際卓越研究大学法案(「稼げる大学」)反対を契機として立ち上げ、その後も今日の大学政策にかかわる発信を続けています。これまで大学教員が中心ですが、大学生や市民との公共的な議論の場として輪を広げていきたいと考えています。
呼びかけ人(12月14日現在)は次の通りです。
石原俊(明治学院大学)、指宿昭一(弁護士)、遠藤泰弘(松山大学)、隠岐さや香(東京大学)、河かおる(滋賀県立大学)、駒込武(京都大学)、光本滋(北海道大学)、吉原ゆかり(筑波大学)、山田幸司(北海道大学)、米田俊彦(お茶の水女子大学)